うろこのような物

先聖日(18日)の宣教70周年記念礼拝は祝されました。でも、エアコンの対応力を上回る猛暑に、ひたすら耐える時間でもありました。この日に合わせるように、例年より早く梅雨が明けたからです。暑い日は続きます。熱中症対策を万全にして礼拝に臨んでいただきたいと思います。今年の梅雨は、静岡で大規模土石流という痛ましい災害もありました。今後は台風による災害が各地で起こると想定されます。日々の気象情報が気になります。


線状降水帯という気象用語を、天気予報などで聞くことがあります。温暖化に伴って、今まで聞きもしなかった現象が、数年前から突如現れたという印象を受けます。しかし、これまで起こった豪雨の気象データをスパーコンピュータで解析して、線状降水帯という積乱雲群の存在が明らかにされただけです。つまり今まで無かったのではなく、私たち人間が気付けなかっただけでした。


この発見は豪雨災害から多くの人を助けることができるものです。正に気象における目から鱗が落ちる。見えなかったことが見えるようになった発見ではないでしょうか。「目から鱗が落ちる」とは、使徒パウロが改心する劇的な出来事に由来するフレーズです。彼は主イエスを信じる者たちを迫害していました。ところが、パウロは主に出会い三日間目が見えなくなります。


「サウロの目からうろこのような物が落ちて、目が見えるようになった。」使徒の働き918


サウロとは改名前のパウロです。主は彼の元にアナニヤを遣わし、彼の目は再び見えるようになります。それまで見えなかったことが見えるようになります。見えるようになったのは、「うろこのような物」が目から落ちたからでした。「うろこのような物」とは何でしょう。主イエスを信じることを妨げる物であり、信仰者としてのあり方までも妨げる物です。それを取り除かれたパウロは、迫害する者から伝道者に変えられました。


さて、スーパーコンピュータに解析させることで、理解出来なかったことの多くが明らかにされているそうです。しかし、ある情報工学の専門家は、スーパーコンピュータは占い師でしかないと言いました。見事に当たることもあれば、大きく外すこともあるからです。膨大な国家予算を費やして、人間の叡智を結集させて開発した物なのに、答えが占いレベルなのは何故でしょう。


人間がスーパーコンピュータにデータを入力するからです。間違ったデータを入力してしまえば、たとえ世界一のスーパーコンピュータであっても、正しい答えを導き出すことは不可能です。要するに私たち人間が間違い易く、あやふやで当てにならない存在なのだということです。そんな人間の知恵や力を頼りにしてはいないでしょうか。それこそ、主との交わりを妨げる「うろこのような物」となっています。頼りなるのは主のみです。