義の太陽


 本日(523日)はペンテコステです。イエス様が約束された聖霊が降られて、初代教会が勃興した歴史的記念日です。毎年、日付が変わる記念日だというのに、教団教派を超えて、同じ日にペンテコステ礼拝を行っています。クリスマスもイースターも、やはり同じ日に、各教会で礼拝が執り行われています。足並みが揃っているのは何故でしょう。それは教会暦があるからです。初代教会以来の歴史の中で、教会暦が形成されて、今も世界中の多くの教会が、教会暦に従って一年の計画を定めています。


 ペンテコステは、イースターから50日目です。そのイースターは、二十四節気の「春分」以降、満月の後の日曜日と定められています。二日前、21日は二十四節気の「小満」でした。草木が青々と成長する頃を指しています。二十四節気は、太陽の動きから季節を指し示す暦です。では、教会暦は何を指し示す暦なのでしょう。教会暦は、新訳聖書の記述からイエス・キリストを指し示している暦です。


 教会暦の一年の流れを理解して、その日その時の礼拝に集うのなら、折に触れて新訳聖書の出来事が身近に感じられるはずです。何故なら、教会暦はクリスマス、イースター、ペンテコステの三大祝祭日を中核に据えて、イエス様の誕生、公生涯、十字架の死と復活、昇天、聖霊降臨、使徒たちによる宣教、教会を建て上げるという流れを辿っているからです。福音書と使徒書の記述をなぞるように、一年を過ごすことが出来ます。


 ペンテコステは教会暦の大きな分岐点です。聖霊降臨節に入ります。アドベント(待降節)まで半年も続きます。聖霊が降られた時から、劇的に使徒たちは変えられました。主の復活の証人として、福音を宣べ伝え、各地で教会が建て上げられて行きました。今、私たちに託されていることと同じことをしています。彼らの後を追うような半年が、本日から始まりました。


 今月の5日は、二十四節気の「立夏」でしたが、まだ朝晩はストーブを焚いていました。太陽から見て北半球が夏の位置になったのが「立夏」です。でも、低気圧で厚い雲が覆って、風が吹き雨も降るという気象条件によって、夏の始まりとは思えなかったのです。これから梅雨も待ち受けています。しかし、どんなに低気圧が居座り、雲が地表を覆い雨が降ろうとも、雲の上で夏の太陽は燦然と輝いています。


 弟子たちの目の前で、イエス様は天に昇られました。目を凝らして空を見上げても、もうイエス様を見ることは出来ません。まるで雲が遮っているかのようです。ところが、雲は取り除かれました。約束の御霊が降られたからです。私たちの内に宿り、義の太陽であるイエス様から、恵みが降り注いでいるではありませんか。


しかし、わたしの名を恐れるあなたがたには、義の太陽が上り、その翼には、いやしがある。マラキ書4:2