地上では旅人

先月、父の日音楽会がありました。この行事は畑山兄の発案で始められて、何回目になるでしょうか。今回は駐車場に車が溢れる光景を初めて見ました。その時、「志のあるところに道は開ける」という言葉を思い浮かべました。誰の言葉かと調べたらリンカーンでした。
リンカーンは、アメリカ史上最も偉大な大統領と称されています。小学生の時に彼の伝記を読みました。聖書への言及が何箇所もあった記憶があります。彼のファーストネームはエイブラハムです。創世記のアブラハムから名付けられた名前です。丁度、先聖日の礼拝説教で、越後長老がアブラハムを取り上げていました。
信仰の父、アブラハムは、行き先も知らないのに、神の約束を信じて出発しました。でも、失敗を何度もしています。リンカーンの生涯も失敗の連続でした。苦労して事業を起こすも二度失敗し、多額の借金を背負います。結婚目前に婚約者は亡くなり、精神疾患で苦しみます。苦学をして弁護士になっても、弁護士業も上手く行きません。政治家を志しても、州議会議員と国会議員選挙では何度も落選しています。それなのに大統領になれました。「志のあるところに道は開ける」という手応えを掴む失敗の一つ一つであったと言えます。

アブラハムの失敗はどうでしょう。約束のものを手に入れることはありませんでした。それでも信じて生涯を全うされました。失敗に屈しない彼の信仰はブレません。神の約束を疑うことがありません。寧ろ信仰が強められたのではないでしょうか。

ヘブル11:13 これらの人々はみな、信仰の人々として死にました。約束のものを手に入れることはありませんでしたが、はるかにそれを見て喜び迎え、地上では旅人であり寄留者であることを告白していたのです。

先月は召天者記念礼拝もありました。先に召された方たちの地上での歩みを偲び、自分たちの今を鑑みながら、天の故郷へ思いを馳せました。そう言えば、父の日音楽会では「旅人の歌」を賛美しました。天の故郷目指してのそれぞれの信仰の歩みは続きます。この先も失敗や困難が待ち受けているでしょう。その度に私たちの信仰も強められるはずです。だから、地上では旅人であることを覚えて、主の御名をほめ歌いましょう。叩けタンバリン、鳴らせトランペット、響けシンバル、歌え旅人!